以前、ワーホリでカナダに来ていた女の子と働いていました。
英語の勉強にすごく積極的なとてもいい子で、職場のムードメーカーでした。
そんな彼女、私や他の仕事仲間と話す時は
理解できなかった単語やイディオム、 その他諸々を質問してくる子だったのですが、
お客さんとの会話はどうも苦手だったようで愛想笑いをしながら
(お客さんのほとんどがネイティブスピーカーだったのですが、
ネイティブスピーカーと話す時にとても緊張するタイプの子でした。)
『理解できたフリ』をすることがたまにありました。
今回は、彼女(以下Aちゃん)が退職することを常連のお客さん(ネイティブスピーカー)
に言った時の会話をシェアしたいと思います。
Aちゃん:I'm going to quit my job soon.
お客さん:Why? That's sad.
Aちゃん:I'm going back to my country.
お客さん:How come? Did you get deported?
Aちゃん:Yes!!! hahaha!
Aちゃんはdeport(意味:追放する)の意味が分からなかったのに
お客さんに言われたことを『理解できたフリ』をして
満面の笑みで「Yes!!!」と答えたため、お客さんがビックリしていました。
ほんの冗談で「なんで?国外追放されたん?」って聞いただけなのに
まさか満面の笑みで「うん!」って返事されると思わなかったのでしょうね。
お客さんは返す言葉が見つからなかったようで、
気まずそうにお店を去っていきました。
後から、Aちゃんにお客さんに言われたことの内容を理解できているのか聞いてみたら
「NO! I didn't understand!」
と笑いながら言ったので、
国外追放されたん?って聞かれたことに対してAちゃんがYesと答えた事を説明すると
Aちゃん、顔面蒼白になってました。
私も『理解できたフリ』をしている
Aちゃんのことを笑えません。
私も『理解できたフリ』をすることがあるからです。
分からなかったら相手にちゃんと聞かないといけないという事は重々分かっているのに
ついつい分かったフリをすることが未だにあります。
ただ、昔よりは分かったフリをする回数は激減したし
「I didn't understand what you said.」
とか、『理解できなかった』という事をたまには言えるようになりました。
普段の会話なら、分かったフリしたところで
何か問題に巻き込まれることはほぼないとは思いますが、
例えば入国審査で『理解できたフリ』をして適当に解答してしまったら
えらいことになるかもしれません。
自分が理解できるまで相手に何度も聞き返すのは
相手に気を使ってしまって、なかなかできないのですが
言われたことを理解できなかった時には、きちんと
「分かりませんでした」
と言えるようになりたいと思っています。
簡単なようで、難しいですよね。