カナダに来たばっかりの頃は
ついつい忘れがちだった『チップを置く』という習慣。
日本人である私にとっては馴染みがない上に
基本的にケチなので、正直、チップを置くことに抵抗がありました。
しかも、
『大したサービスをしてもらったわけでもないのに、チップを置かないとあかんなんて。
日本やったら、チップ置かなくていい上に、もっと丁寧なサービスが受けられるのに。』
と思っていました。
そんな、私たち日本人には馴染みのないチップなのですが、
チップを置く習慣のある国に行く時、チップを置きますか?
それとも、
『自分は日本人だからチップは置かんでもいいやろ。』
という理由で無視しますか?
というのもですね、
私の友達(日本在住)で絶対にチップを置かない友達がいるんです。
以前、一緒にアメリカに旅行に行った時も
頑なにチップを置くのを拒否していました。
その友達からこの前メールが来て、その内容が
「つい先日、旦那とアメリカに行ったんやけど、
泊まったホテルに貴重品を忘れてきたことに日本に帰ってきてから気が付いてん。
ホテルに『□月△日に〇〇号室に泊まっていた者ですが、部屋に貴重品を置き忘れたみたいなんです。』ってメールしたのに返事すらないねん!ほんま、最悪や。
このホテルにもう一回メールを送りたいんやけど英語が得意ちゃうから、
英語でクレームの文章作ってくれへん?」
というものでした。
友達が怒る気持ちもわかるのですが、
ホテルの部屋の清掃係の人からしたら
『あ、ここに泊まってた人忘れ物してはるわ。
でもチップ置いて行ってへんし、別に連絡せんでもいいやろ。面倒やし。』
って思うと思うんですよね。
私が以前働いていたレストランでは
日本人、韓国人、中国人はチップを置いていかない事を従業員は知っていたので
(置いて行ってくれた人たちもいました。)
もし置いて行ってなくても
『チップを置く習慣のない国民たちやし仕方ないか』とスルーしていました。
でも、ホテルとなると
特にホテルの清掃係の人はどんな人が宿泊してたかなんて分からないでしょうし、
ましてや
『チップを置く習慣のある国から来た人かどうか?』とか
『故意にチップを置かなかったのか、ただ、チップを置くのを忘れてたのか?』
なんて知る由もありませんよね。
チップを置いたからって、ホテルの部屋に忘れてきたものが
自分の元に戻ってくるという保証はありませんが
置かないよりかは、戻ってくる確率は高いと思います。
もちろん、故意にチップを置かなかったわけではなくて、
そういう習慣がないからついつい置くのを忘れてしまうという場合もあると思うんです。
でもやっぱり、『郷に入っては郷に従え』と言いますか、
多くなくてもいいから、少額でも置いておくと
私の友達みたいにホテルに忘れ物してきた場合とか、助けてもらえるかもしれません。
私、この友達の事が大好きですし、大切な友達なのですが
なんで頑なにチップを置くことを拒否するのかは、いまいち理解できません。
あともう一つ、チップにまつわる話で、
レストランでウェイターに追いかけられた友達がいます。
その友達は、そこでの食事が期待してたよりも遥かに質の悪いものだったので
わざとありえないほどの少額のチップを置いて行ったそうなんです。
そしたら、そのチップの額を見たウェイターに追いかけられて
「チップが足りない!」
って言われたそうです。
ちなみに、レストランで置くチップの額の目安は
飲食したお会計の額の15%位なのですが
(飲食したお会計の額が1万円だとしたら、チップは1500円くらい)
その友達はお会計の額の1%をチップとして置いて行ったそうです。
チップの額が足りないからって、追いかけられるかどうかは分かりませんが
追いかけられる場合もあるようです。
チップに乗せる思い。
渡すものはお金なんですけどね、
チップには『ありがとう☆』っていう思いがたくさん乗っかっていると思います。
だから、今はチップという習慣があってよかったな、って思う事がたくさんあります。
ちょうど昨日、暖炉用の薪を近所に住むおじさんに持ってきてもらいました。
大量の薪なので、持ってきてもらったものを暖炉用の薪置き場に積み重ねていくのは
本当に重労働なんです、しかも外は寒かったですしね。
いつもは、私一人でこの重労働をこなすのですが、
今回はおじさんが手伝ってくれたんです。
もう、本当に嬉しくて☆
薪代+チップを渡しました。
ほんのわずかな額なんですけどね、『ありがとうございます』という
感謝の気持ちを示すのには、チップって本当に便利だなって思います。
『こんな質の悪いサービスに、チップ何か払いたくないわ!』
って思う事もあると思うんですけどね、
やっぱり払うべきところでは払っておくに越したことはないと思います。